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「ご覧なさい」
さらに映画館の席のような椅子も出てきて、私は座らされた。
部屋中が真っ暗になり、上映開始のブザーがブーっとなった。
◆
「第一被害者が出ましたね」
「嘘……なんで美朝が……」
「だ、誰が殺したんだ!」
私の最後の記憶の場面だ。
みんなが、胸にナイフを刺して倒れている私を取り囲む。
仲の良かった友達、顔も知らない生徒、またぴーぴー泣いている権田、ひたすら怯えた様子のひなり。みんな周りで、各々、好き勝手言っている。
「美朝……どうして……」
そして、私の近くで座り込んで涙ぐむ、一色京也が居た。
おい。ふざけんなよ。なにお前が泣いてんだよ。
私は、私は……さっきお前に刺されて死んだんだよ!
そう。私は一色京也に殺されたのだ。
夜に賛同してくれた、同じ意志のもとこの事件を解決したい理解者、だなんて思ったのは束の間のことだった。
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