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◆
ことの発端は、前日に遡る。
放課後、文化祭の実行委員だけが残っていた学校。私は不本意ながら、さぼっていた日に押し付けられてしまい、泣く泣く作業に参加していた。
そろそろ今日は終わりにするかとみんなが帰り支度を始めた、夜の20時。
いつもはこんな時間には鳴らない、不自然なチャイムが鳴り始めた。
そして、アナウンスはこう告げたのである。
『皆さんはもう、この校舎から出られません。出られる条件は、ただ一つ。生存者が二人になることです』
よく漫画やドラマであるやつだー、と聞いた瞬間にまず思った。
みんな驚いて支度の手を止めていたが、誰かのいたずらだよねと、すぐに切り替えて校舎から出ようとした。
するとだ。
どれだけ開けようとしても、扉が開かないのである。
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