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Section 5
ゼウスは、雷の剣で結界を壊そうと一心不乱だった。しかし、結界は壊れるどころか、傷一つつきそうもない。
ゼ「…くっ!!やはりダメか…かつてはどんなものでも無へと帰した私の力だが…あの『禁術』を失敗したときの後遺症は今もなお残っているようだな…」
そんなことを呟いていたその時。ゼウスはようやく結界越しにいる人物に気付いた。
ゼ「…アイテール!?」
ゼウスは驚きのあまり叫んだ。しかし結界の向こう側にいる翼――アイテールには彼の声は届かない。
―――それでも、ゼウスの意思をくみ取ったアイテールは――――
【ダイヤモンド・ホーリー・パニッシュメント!!】
―――結界に天空魔法を放った。
白い光は結界に直撃し、一瞬で消滅した。―――――そう、メーワク神が結界を使って天空魔法を打ち消した、あの時のように。
ゼ「ええええええええ!!!!!!すげええええええええ!!!!!!」
ゼウスは自分が王であることも忘れて絶叫。…まあ一国の君主にできないことがごく普通の国民に出来たらそりゃビビるわ(((
ゼ「はっ…アイテール!!来てくれて良かった…」
【ゼウス様!!どうしてこちらに!?】
アイテールが驚き尋ねると、ゼウスはこう答えた。
ゼ「…先程、私の力で新たな魔法石を生み出すことに成功したのだ。」
【…え!?】
ゼ「私の力が込められた魔法石だけは、どんな障壁もすり抜けるからな…でも私自らの手で魔法石を託したくて結界を壊そうと頑張っていたのだ!!」
【いやそれなら魔法石だけ託せばいいじゃないですか!?めんどくさいことしないで下さい!!】
ゼ「…まあいい、下界の少女たちは今何をしているんだ?」
【あ…今メーワク神と戦っています!!】
ゼ「何!?すぐに援護に戻るぞ!!新たな魔法石の話もそこでしよう!!」
【は…はい!!】
Section 6へ続く
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