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コウタの周りにはいつも女の子がいた。 言い寄る子達を上手くあしらってやり過ごしている様子を見るたび、 そんなふうに自分の想いもさらりとかわされてしまうことを想像し臆病になる。 近くに居続ける手段として選んだのは、恋愛感情をひた隠しにし、 友達としてのスタンスを守ること、だった。 特定の彼女もつくらず、ひたすら夜間のアルバイトに励み、 こうして集まって話をする度にカメラマンになる夢を熱く語るコウタは、 私の中でどんどん特別な人になっていく。 「ミキはやっぱスタイリストになりたいワケ?」 「うん…なれればいいなあ、とは思うけど。」 「面白そうな仕事だよな。俺も一応ファッショングラフィック専門のカメラマンが希望だから、将来一緒に仕事するようなことあるかもな。」 そんな可能性があるなら、是が非でもスタイリストになりたい、と思った。 私がスタイリングするモデルを、コウタが撮るなんて夢のようだ。 「そんなことになったら楽しいだろうね。」 「楽しいさ。俺らが作ったモンが時流に乗っかって世間に風を起こすんだぜ。凄くないか?」 「スゴイスゴイ!」 「凄いけど…」 熱く語るコウタの隣でウーロン茶を飲みながら眠そうな顔をしていたカズが突然口を開いた。
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