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運命、って自分ではどうにもできないもので、
夢は思い続けることで叶うという定説は、恋愛には適応しない。
就職が決まった。
どうしてもスタイリストになりたかった。
それは自らの意志というよりは、
そうなることでコウタとの長い繋がりをつくるため、という捻じれた思い。
でもその執念は夢を叶えるほどの力になった。
私は、念願のスタイリストの仕事に就くことができた。
就職先のスタイリスト事務所には同級生のカズと同期入社になった。
同じ学校からの入社は二人だけだ。
仕事がハードで時間が不規則な上、感覚的な人間の鬩ぎ合いが壮絶な人間関係を生むこの仕事。
入社して一年も経つと同期の仲間は半分に減っていた。
自分でも感じているが私は要領がいいと思う。
人の考えていることを察する能力もあるほうだと思っている。
そんな私の器用さは、どんなに仕事が過酷な状況になろうと遺憾なく発揮され、
臨機応変に自分を回りに合わせる事で肉体的、身体的な辛さを乗り越えさせた。
カズのほうは、私とは逆にすべてにおいて自分のペースを守りながらも
なぜか周囲を納得させるような不思議な存在でいた。
上司からも一目置かれ、外部での評判も悪くない。
そんなカズを妬み陰口を言う仲間もいたが、
学生時代から傍で見てきた私には諦めにも似た納得があった。
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