プロローグ 

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プロローグ 

   青の空間に轟音がこだまする。群青の空に伸びる白い筋とそれを追う三角形の翼。俺は今、白い筋を引いている。 「フッ・・・!フッ・・・!フッ・・・!」  荒い呼吸、呼応するようにマスクの酸素供給レギュレーターがシューッ・・・シューッと煩わしい音を放つ。体重の9倍の圧力に耐えながら、「鬼」から逃げている最中だ。  「鬼」が操る戦闘機、JAS-39Eグリペン。旋回性能は馬鹿にならないほど優秀。それを操るパイロットもだ。  操縦桿を引き続け、螺旋降下に入る。スパイラルダイブと呼ばれる機動。絶対向こうの射線に入るわけにはいかない。俺が操る機体、Su-27フランカー。強力な推力と洗練された空力性能により、非常に高い運動性能が自慢の大型制空戦闘機・・・・・・なのだが、後ろを取られてしまっている・・・もとい、取らせている。これも作戦だ。だから、なにがなんでも生き残る必要がある。  
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