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テルシャ王国空軍 ザレルストレム空軍基地 エプロン
シュゥウウウウウンー・・・・・・
エンジンカットー、キャノピーをオープンし、整備員が架けてくれたラダーを降り、敬礼。
「全系統異常無しです。ではお願いします。」
申し送りもほどほどに機体を返納した。これからは2時間近くに及ぶブリーフィングが待ってる。
2時間半後ー
やっと解放された。これで昼飯まではやることが無い。滑走路端の堤防まで行って海でも眺めよう。駐輪場に停めたママチャリの鍵を解錠しようとした時ー。
「エギー!司令が呼んでるって!!」
「・・・・・・はい?」
一緒に飛んでた編隊長から呼ばれる。ー司令が俺を?・・・・嫌な予感しかしない。他の同僚からも「何やったの?」と言われつつ、基地司令室へと向かった。
2時間前 基地司令室
「どうですか?彼は。技量は申し分ないと思われますが。」
「アルフ・ユングストレーム大尉・・・・グリップリダーレ(JAS-39乗り)か。奥さん妊娠中ってあるけど・・・・・・」
来客に我が基地パイロットの人事書類を閲覧させること30分。相当に悩んで居られるようだ。
「お子さん生まれたらそっち優先させないといかないからねぇ・・・。というかグリペンは航続距離がなぁ・・・・・・」
白い髪を掻きながらダメ出ししている目の前の御仁は王族の親衛隊長。来基された理由は、王族の外遊をエスコートするパイロットを選びに来たとのことだ。我が国の伝統において、王族の護衛にあたる者は王族親衛隊長が指定する。
「条件としては、優秀かつ、独り身の者が良いと・・・・・・」
「そうだねぇ・・・・あとなるべく暇な者が良いなぁ。近い内に演習とかに参加せず、予定空いてる者が良いよねぇ・・・・・・。」
ラストの書類にを捲った。
「うわっ人相悪いな・・・・・・コウイチ・ケンサキ特別少尉・・・日本人か。元海上自衛隊・・・・・・?スティグソン中佐、彼は?」
「ケンサキですか?確かに操縦技量は優秀ですが・・・・・・。彼は日本人です。格式的には大いに問題があります。というかコイツ・・・・」
「国籍はどうであれ、我が国の防空を司る事には変わらない。それに、彼は元海上自衛官、つまり海軍軍人だろう。礼儀とかはしっかりしているハズさ」
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