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第1章 水族館と漁港の直売所のイカの水槽は無限に観てられる。
解放されるまであと一時間。やることが無くなったので、愛機のコックピットで項垂れている。時折感じる整備兵の視線が微妙に冷たいのは気のせいだ(すぐどきますごめんなさい)。
「エギーさん」
「ハ、ハイッ!?すぐどきます!」
「あー、いや、航空時計新しいの付けといて貰って良いですか?」
機付長(この機の担当整備員。実質、この機体のご主人様)に新しい航空時計とドライバーを渡された。ビスを落とさないように気を付けながら航空時計を取り付ける。
・・・・・・・・3時間前の事だ。
「おめでとうエギー!!!!」
昼休みが終わり、戻るや否や同期や先輩に囃し立てられた。その中で独り、鬼の様な顔した隊長が言う。
「マナーと教養って奴をみっちり叩き込んでやる。」
肩の荷が重いというのも有り、気持ち的に楽じゃない。
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