私のものよ!

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「いいなぁ。ヨガをやっている君の姿を描いてみたいよ」 「なっ!」 「冗談、冗談」 「あの大家さんは、気の済むまで話し合ってくださいって言ってたけど、これじゃ答えは出ないわね」 「まだまだ話し合っていないよ」 「もう十分。ていうか、あの」 「何?」  実は、私は見てしまったのだ。亘と別れて、会社の社内異動もあって、顔を合わさない日が続き、ようやく心の痛手が取れかけた頃。  新宿に買い物に行ったとき、たまたまアルタから出てきたカップル。亘と、きれいな女の人だった。髪が長くて、背が高くて、白いワンピースが驚くほどよく似合っていた大人っぽい女性。私とは正反対。二人は仲よさげに、すっと通り抜けた。私には目もくれず。  そのときの痛みがふいに蘇ってきた。
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