初めての寮生活

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「如月くん、お待たせしました」 「金剛寺さん、わざわざすいません…俺なんかの為に時間を使わせてしまって」 「そんな風に考えなくて大丈夫ですよ。それに私も気になっていたので」 とりあえず寮に向かいましょうかと、金剛寺さんに促され教室を出た。 「今日は授業その他、どうでしたか?」 「そうですね…授業はまぁ…なんとかついていけるかなって感じです」 「お友達は出来そうですか?」 「友達…って俺が言っていいかわかんないんですけど、2人出来ました」 それはよかったですねって自分の事の様に嬉しそうに笑ってくれた。 あれこれと今日あった事を話しながら俺達は校舎を出て、校門をくぐり、隣の施設へと向かう。 「あのぉ…これ、ほんとに寮ですか…?」 「桜雅(オウガ)高校の寮ですよ」 えぇ…だってコレ…ホテルじゃん。 行ったことないけど、TVで見るような豪華な三ツ星ホテルじゃん!! 「さぁ、行きましょう」 金剛寺さんは歩き始め、玄関に入るのだろうと思っていると玄関前の横の部屋に向かう。 「セキュリティ管理の為に寮に住んでいる生徒のプロフィール登録が必要なんです」 そう言われ、部屋の中に入ると顔の写真と全身の写真を撮られた。 「管理されてる人物以外が門を過ぎ、自動ドアの前まで来ると扉は開きません。(プラス)この寮には警備会社も設備されてますので、すぐに不審者を捕まえることが出来ます」 「へぇ~、凄いですね」 「この寮以外でも付き纏い行為などがあったら遠慮なく、この部屋の方に言ってください。すぐに対応しますので」 付き纏いってストーカーってこと? 「俺は大丈夫だと思いますけど…」 「何言ってるんですか!!如月くんこそ気を付けないと駄目ですよ!!」 「は、はいっ、気を付けます!!!!」 ドスの効いた声に驚いて、咄嗟に敬礼をしていた。
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