117人が本棚に入れています
本棚に追加
金剛寺さんを見送り、射手矢さんはこの寮の説明と案内をしてくれた。
エントランスホールから続く大きな食堂、奥にはコンビニ、2階は大浴場とトイレがある。
食堂を挟んだ奥の建物は3年生専用の寮、エントランスホールの左側は1年生専用の寮、右側は2年生専用の寮らしい。
「あの、3階まであるみたいなんですが…?」
「3階は1年〜3年生、皆で使える空間で談話室やらTVやら色々あるで。因みに地下室もあってな、そこはジムとかになってんねん」
めちゃくちゃ凄いですやん。
あまりの凄さに、また、ぽけぇ…っと口を開いたまま歩く俺。
「エレベーターもあるけど、階段で行くか?」
「エレベーターまであるんですか!?」
「まぁ、荷物運んだりせなあかんからな。えーと、君は如月くんやったっけ?」
「はい、如月紫苑です」
「ほな、きー君って呼ばせてもらうわ。僕は射手矢 聖星言うねん、宜しゅうな。きー君の部屋は3階になんねんけど」
階段で行くか?って言ってるけど、射手矢さんの指は既にエレベーターボタンを押していた。
3階に到着し廊下に出ると、右、左、真ん中へと廊下が続く。
部屋は防音加工もされてるらしいけど、あまり騒ぎ過ぎたらあかんで?って心底嫌そうな表情を浮かべ、対応するの難儀やからなってぼやいてた。
「電球やらトイレットペーパーやら、そんなん自分でどうにかせぇーっちゅうねん!!自立したら誰も用意なんてしてくれへんで」
まぁ…確かに…でもこの寮の管理者で、それでお給料貰ってるんじゃ…?
あー、楽してお金貰えへんかなぁ?って、何故か俺を見る。
「…将来、きー君が大人になったら、僕を養ってくれへんか?」
「え…そんな事言われましても…」
「僕、家事とかなんもでけへんけどマッサージは得意やねん。夜のマッサージは特に♡」
俺より少しだけ背が高くて見た目小汚いおっさんが腕に巻き付き、わざわざ屈んで上目遣いで見てきた。
金剛寺さんが舌打ちしてチベスナの表情になってた気持ちがわかる気がした。
最初のコメントを投稿しよう!