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力ずくで射手矢さんを腕から引き剥がし、部屋を案内してもらった。
「そんなん必死にならんでも…聖星悲しいっ!!」
エアハンカチを口で引っ張りながら涙なんか出てないのに、うぅ…うぅ…って泣き真似をしている。
いやぁ…ほんといい歳したおっさんが何してんだ…
「つーことで、きー君の部屋に着いたで!!」
えぇ…切り替え早っ…射手矢さんのテンションについていけない俺を無視して、次々と部屋の説明をしていく。
「ほんまは2人部屋やけど、今はきー君しか居らへんから自由に使うてな。あ、でもいつ誰が越してくるかわからへんから、あんま散らかしたらあかんで?」
たまに部屋の抜き打ち検査もあるから気を付けときって教えてくれた。
「あと、こっちはシャワールーム。大浴場もあるけど使える時間は22時迄やから入れへんかったらこっち使い。トイレはこっちな」
トイレとお風呂が別でよかったぁ…今は1人だけど誰かが越してきたらシャワーユニットはきつ過ぎる。
「で、こっちは簡易キッチン」
どうやら食堂も時間が決められてるらしい。
ラストオーダーが20時半で、21時には完全に閉まるみたい。
でも食堂自体は開放されてて、食堂の奥にあるコンビニで買った食べ物はそこで食べていいらしい。
「今度、夜に食堂デートでもしよか?」
「え、普通に嫌ですけど…」
「えーん、聖星傷ついたぁー。えーん」
「え、何故に標準語…?」
「まぁ、コンビニアイスで構わへんから奢ってな?」
案内したんやしって、色々とツッコミどころ満載だったけどなんか疲れたからやめといた。
それからランドリールームも案内してもらった。
驚いたことに、それぞれの階にランドリールームがあるらしい。
「長時間の占領はあかんで!!ごちゃごちゃと喧しい奴がおるからな」
一通り説明と案内をしてもらい、射手矢さんはしんどいから帰ってええか?って勝手に帰ってしまった。
俺もあなたのテンションに疲れました。
部屋に戻ってから荷解きに取り掛かり、気付いたらラストオーダー10分前だったので慌てて1階に向かった。
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