羊の皮を被った狼

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「射手矢さんもご飯だったんですか?あ、でもラストオーダー…」 時計を見ると20時半過ぎていた。 「あらら…子猫洗っとったから時間ギリギリになってしもたか」 とりあえず俺はさっきの席ではなく、射手矢さんの真向かいに座ろうとしたら 「あれ、そっちに座るん?こっちおいで」 そう言って、さっきまで座っていた椅子をポンポンと叩く。 何故に隣同士…? 気になったけど呼ばれたから仕方なく隣に座った。 「いただきます」 「美味しそうなパスタやね?…はぁ…僕もお腹空いたわぁ…」 あの…何故に俺の顔を見ながら言うんでしょうか…? 「子猫ちゃん達が病気にならんように洗っとったらこんな時間に…はぁ…ご飯どないしょう」 チラッと見ると、ニッコリとした笑顔で俺を見ていた。 これはあれですかね…そのパスタを寄越せって言ってるんですかね? 「……あの、食べますか?」 「きー君もお腹空いてるやろ?ええってええって」 そう言うなら…そう思い食べていると 「あ、財布忘れた。どないしょう」 取りに帰ればいいんじゃないですか…? 射手矢さんはわざとらしくアピールしてくる。 俺はクルクルとパスタを巻きながら 「はい、食べてください!!」 射手矢さんの口に押し付けた。 巻かれたパスタは遠慮なく口の中へと消えてった。
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