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「あんま暴れんといて?」
「だ、だったら、やめてください」
「キス1回させてくれたらやめてもええけど?」
「な、嫌に決まってるじゃないですか!!」
なんでこんなおっさんなんかと!!
「こ、こんなことしてたら、クビになっちゃいますよ!?てか、捕まりますよ!!」
「きー君と出来るなら本望や」
ちょっ、俺なんかで人生棒に振らないでくださいぃぃ!!!!
イヤイヤと首が取れてしまうんじゃないかと思うくらいに振っていると
「はぁ……ちょっと大人しくしよか?」
いつものチャラついた声ではなく落ち着いた大人の声で
「やっぱ、こんなおっさん嫌?」
ボサボサな前髪を片手でかき上げ、少し悲しげな表情で聞いてきた。
キュン………………じゃねぇぇえ!!!!
危ねぇ危ねぇ、前髪かき上げて表情見えただけでキュンとか!!!!
だって大人の色気がやばかったんだもん!!!!
「あ、あの、嫌とかじゃなくて、いや、嫌なんですけど!!…とにかく、やめませんか?見つかったら本当に大変なことになっちゃいますよ!!」
俺にとって運が悪いことに、俺達が食堂に入ってから生徒は誰一人来ない。
食堂の人は後片付けをしているのか姿を見せない。
「はぁ…しゃあないか…」
そう言って射手矢さんの体が離れる。
はぁ…とりあえず危機は去った…と思っていると、おでこにチュッとキスをされた。
「唇はまた今度な?」
そう言って射手矢さんは1人で食堂を出て行った。
「だ、誰がするかああ!!!!」
「……っどど、どうされたんですか!?」
俺の叫びに食堂の人が何事かと慌てて出てきたので、すみませんと謝り自室に帰った。
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