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「ね、明日夜空いてる?」 沙耶香からの誘いが来た。 繁忙期だから仕方が無いが、沙耶香の誕生日からもう1ヶ月近くがたっていた。 待ちに待ったような、逃げたいような複雑な心境だ。 「あいてるよ。何処に行けばいい?」 「そうね。ボーノは?」 「いいけど、こっちでいいのか?帰り不便だろう?」 「大丈夫よ。長居しないし、久し振りに食べたいの。こういう機会でもなければ、もう行かないだろうしさ」 何度も一緒に通った店だ。 最後になるようなことを言うから一抹の寂しさを感じながらも、帰宅に不便な俺の最寄駅にわざわざ来るのに何か違和感があって、マンションに寄って星姫ちゃんの影でも探るのではないかと勘ぐりたくなる。
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