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長良川
目覚めると夜道をゆく車の後部座席に座っていました。
私の両脇には伯母の愛犬Tと祖母、
運転は従兄が務めており、
助手席には従兄の奥様に似た方が座っておりました。
従兄にどこへ行くのか訊ねると「長良川」
そうか、と思いつつ犬を撫でようとしましたが、
ふと気づきがあって手を止めました。
「ねえTって死ななかった?」
そう訊ねると従兄がこちらに顔を傾けたのですが、
その顔は真っ暗で何も見えず、
私はおどろき目を横へそらしました。
すると隣の祖母もまた真っ暗な顔。
祖母も鬼籍に入っていたことを思い出しました。
私は真っ暗の顔に釘づけにされたまま動けなくなり、
そこで本当に目が覚めました。
どうしてこのような夢を見たのか今もってわかりませんし、
夢にわけをもとめても仕方がない気もしますが、
それ以来、
長良川は避けた方がよさそう
と脳裡に警告されながら日々を過ごしております。
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