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キーパーソンであった彫り師の爺さんが居たから、また煌弥と玲ちゃんは、出会えた。
本人達は、自覚していないが、お互いを想いあっている２人。
煌弥は、玲ちゃんと入籍してから、男の魅力が増した。
妻と子を守り抜こうとしている事が、煌弥から伝わってくる。
形は夫婦でも、お互い恋愛感情を知らないから、一生賭けて学んでいくんだろうと俺は思う。
十人十色。
そんな言葉があるくらいだから、恋愛の考え方も人それぞれだろう。
唯一、俺や拓海や涼がホッとしたのは、玲ちゃんが柔らかく微笑む様になった事。
何を考えているのかも、分からなかった過去の玲ちゃん。
心を開かないから、冷たさを感じた過去の玲ちゃん。
無表情の顔は、マネキンの様だった過去の玲ちゃん。
でも、今は違う。
食材を買いに行った後、５階にあるダイニングキッチンに行けば、普通に会話する様になった玲ちゃん。
話す内容は、殆ど煌牙の事だけど、微笑みながら話す玲ちゃんの顔は、観音菩薩の様だと何度も思った。
そんな玲ちゃんが、許してはいないのが、アヤナミの奴等。
だけど、今日、玲ちゃんは、過去の呪縛から解放されるだろう。
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