2307人が本棚に入れています
本棚に追加
/189ページ
「お友達からならいい」
「お友達ってなんだよ」
笑うと細くなる目はなかなかポイントが高い。頭も良さそうだし、モラルもありそうだ。リハビリにはうってつけなのかもしれない。
「はい」
友里は連絡先を交換するために、スマートフォンを開いた。
梅乃のことを好きなら、無理矢理襲ってくることもないだろうし、そばにいれば梅乃に変なことをしないか見張るにもちょうどいい。
青木は友里のスマートフォンに自分の番号を入れると、通話を押したあとしばらくして切った。
「友里ちゃんもそれ登録しといてね。俺も登録しとくわ」
青木がテーブルの上に手を出した。長くてきれいな指に、友里はしばしの間見惚れた。
「握手しようぜ、取引成立の」
友里が手を伸ばすと、温かい手は優しく握った。
「よろしく友里ちゃん」
「よろしく」
こうして二人は、知り合いから友達以上に関係をランクアップさせた。
悪くはない。
友里の胸は高鳴り、想像できない近未来にわくわくしていた。
最初のコメントを投稿しよう!