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「いいでしょう! のしを付けて、差し上げます!」
「組長!?」
いや、ここからはちょっと別の話なんだが、と組長は征生に向き直った。
「今進めている、リゾートホテルのプロジェクト。お前に、早い段階から中に入ってもらってるな?」
「はい。土地の買収から関わっております」
「あのホテル、大翔にやろうと思っている。あそこで、堅気としてビジネスをやって欲しい、とな」
そして。
「そして、難波。お前に、大翔を支えて欲しいんだ」
「私が、ですか」
これは、ヤクザから足を洗うまたとない機会だ。
そうすれば、楓をこれ以上悲しませずに済む。
一瞬にして、征生はそう考えた。
「その顔つきだと、了解してくれそうだな」
「は、はい」
「お前は大翔を支え、先生がお前を支える。これで万事円く収まる。そうじゃないのか?」
(組長は、楓と俺の仲をご存じなんだ)
「……恐れ入りました」
「私が何も知らないと思っていたのか!?」
豪快に組長は笑い、征生はひたすら平伏していた。
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