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「もう、ヤバいよ。これは……」
征生に車で送ってもらった、マンション。
組長からの、プレゼントだ。
大翔の家庭教師を引き受けてくれたお礼、と称して贈られた。
「あの時も、征生さんがいたんだっけ」
『最上階を一室買い取ってあります。先生、どうぞ快適にお過ごしください』
『困ります! 僕、贈与税とか払えません!』
『そこはご心配なく。抜かり有りませんから』
「征生さんに、抜かり有りません、とか言われると、もう信じるしかないよね」
あの時の眼を、思い出す。
鋭いまなざしの中に潜む、優しさ。
時折見せる、甘い表情。
ふぅ、と楓は息を吹いた。
何だか、少し熱い。
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