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突然の告白に、研究室に沈黙が落ちる。
それより前から大神のぶつぶつ呟く声だけだったが。一瞬空気が凍り付いたが、すぐに他の研究員は揃って聞こえないふりをすることにしたらしい。
大神の盛大な溜息が沈黙を破った。
「お前は人の話を聞くつもりはあるのか?」
「あります。外で食事でもしながら」
「断る」
被せ気味に断言して、彼は背を向ける。颯は肩を竦めて自席へ戻った。
こんなやり取りは日常茶飯事だ。大神が罵り倒し、颯は意にも介さず告白する。
大神は颯が話しかける前から誰に対しても厳しい人だった。
通称「オオカミ教授」。
苗字がそう読めることと、無慈悲なまでの口の悪さから、学生からはそう揶揄されている。
誰に対しても平等に毒舌だが、颯に対しては別格だ。折に触れて思いを告げてはいるが、彼からはいつも軽く流され続けていた。
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