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「結構買い込むんだね」
「正月に買い出しに行きたくないしな」
大晦日、私と蓮さんは食料を買いに大型スーパーに来ていた。カートを押しながら野菜や肉、その他色々な物を次々とカートの中のカゴに入れていく。
そして買い物中、イケメン過ぎる蓮さんは周りの女性からの熱い視線を浴びる。もちろん蓮さんは全然気づいてないんだけどね。
帰りにレンタルショップでDVDを借りて家に帰る。見たいのがいっぱいあって悩んだけど、今回は恋愛モノとアクション系のDVDを選んだ。
そして夜、食事の後にソファーに座り、借りてきたDVDを一緒に見る。気がつくともう23時を過ぎていた。
「もうすぐで年が明けるな」
「そうだね。今年は大変お世話になりました。…蓮さんと出会えた事が一番良かったな」
「俺もだよ」
優しい顔でそう言うと、蓮さんは私の肩を抱きグイッと引き寄せる。
「前から思ってたけど、蓮さんって溺愛体質だよね?」
「俺が?そうか?俺はただ美織が可愛くて可愛くて仕方ないだけだ」
「それを世間じゃ溺愛と言うんです」
「美織は嫌なのか?そういや溺愛より普通がいいって言ってたな」
私が付き合い始めた頃に言ったの覚えてたんだ。
「だって溺愛されるとドキドキし過ぎて心臓が爆発しそうになるから逃げ出したくなる」
「今もか?」
「今でもめっちゃドキドキするけど、なんか嬉しいし溺愛されるのもいいかなって思ってる」
「それなら良かった」
自然と私と蓮さんの唇が重なる。偶然か狙ってかは分からないけど、ちょうど年明けまでのカウントダウンが始まっていた。
5.4.3.2.1…
新年を迎え、唇がそっと離れる。つけていたテレビでも着物を着た人達が新年の挨拶をしていた。
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