猛女ロッカー赤子との赫々云々

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猛女ロッカー赤子との赫々云々

猛女ロッカー赤子との赫々云々 その1 アキラ 一晩で人生がどん底に落ちた。 まさにドンと音をたてて…。 その事態はある意味、明瞭簡潔だったさ。 泥酔から覚めると、オレの肩には金100万円の借金が乗っかってたんだ。 どうやら、昨夜のオレはこの”マッドハウス”という店で暴れた”らしい”…。 その際の損壊、業務妨害による損害賠償ということだそうなんだが…。 昨日で4年務めた会社を辞めたオレに、ここのオーナーは当面このライブハウスで雑用の就労に着いて返済していく選択肢を強要した。 そして、オレは昨夜のうちに、その承諾書面に記名捺印をしていた”ようだ”。 記憶が途切れてていた間に…。 何ということだ…! そして翌日から、ここマッドハウスでの地獄の日々が始まる…。 ... 「アキラ、今日は”ここ”の掃除だ」 「…」 勘弁してくれ…。 ここ、女子トイレだって! 「何してんだ、さっさと入れって!」 ドン! 間宮さんに後ろから背中をおっぺされ、オレは女子トイレの中へ押し込まれた。 ... 「…ならよう、今晩のステージが始まる3時間前にしっかり掃除だ。へへ…、お前がサインした承諾書にはいかなる就労も拒まない旨の誓約が入ってる。まあ、同じトイレなら女の方がきれいだから作業も楽さ。まあ、しっかりな。終わったら奥に報告だぞ!」 間宮さんは口に咥えた煙草の煙をくゆらせながら、ニヤケ顔のまま奥の部屋へゆっくりと歩いて行った。 女子トイレの中で呆然と立ちすくむ…。 モップを手にして、オレは思わず大きなため息をついていた…。
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