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最後の地権者/その6
アキラ
空になった寿司皿抱えて、マッドハウスに戻った
既に夜9時過ぎだったが、納会は終わっていないようだ
会議室に入ると、みんなから一斉に労いの声をかけられた
「おー、アキラよ、ご苦労さん!まあ、こっち来いよ!」
上機嫌な建田さんも、右手を挙げてオレを呼んでいる
どうやら、泉さんの家に入ったことは皆、知っているようだ
間宮さんたちが偵察してたみたいで
...
「でかしたな、アキラ。お前、玄関で服脱いでたそうじゃないか?いきなり誘われたのか?」
浅田さんがまず、聞いてきた
「おお、さすが、色男だな。ハハハハッ…、行かず後家とどこまだやったんだ?」
北原さんはすっかり酔いが回ってるようで、声もバカでかい
「違うんですよ、入れ墨の身体検査ですよ。変なことはないですよ!」
これには全員、大爆笑だった
でも間宮さんは苦笑って感じだ
オレは建田さんの隣に座り、ビールを注がれ、まずは一気に飲み干した
さすがにうまいや、”一仕事”のあとは
「とにかくよくやった、アキラ。今日の駄賃だ」
財布から3万円取り出し、オレの手に握らせた
「よし、おれも出そう。おい間宮、持ってったれ」
北原さんからも3万円だ…
全くこの人たちはある意味単純だなあ…
そのあと、明石田の親分はわざわざ10万円を封筒に包んでくれた
まあ、一応仕事な訳で、1日早いお年玉って訳じゃないし
今日は有難くいただいとこうかな…
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