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初めて久我さんを見かけたのは2ヶ月前
今年から大学生になった僕、城崎 悠は困っていた
慣れない大学生活、慣れない都会での暮らし
そして、始めたばかりの本屋でのバイト
目まぐるしい毎日に必死でしがみつきながらも、ある意味充実した日々を送っていた5月のある日
その日は、え、厄日ですか?ってくらい朝からついてなかった
近所の脱走した犬に追いかけられてその拍子に躓いて肘と片膝痛めるし、大学に着いた途端また躓いて鞄の中身ぶちまけるし、講義中に船漕いでる友達の頭が僕の頭にドンピシャでクリーンヒットしてくるし、バイト中も……、てな感じで、ほんっっっとについてなかった
ため息をつきたい気持ちを抑え、目の前にあるグラスを傾ける
腕時計で時間を確認すると、もうとっくに日付を跨いでいた
…嘘だろ
目の前でどんちゃん騒ぎするバイト先の人たち
「城崎くん飲んでる〜?」と声をかけられる度に、驚きで肩が飛び上がり愛想笑いを浮かべた
"ついてなかった"
というより、今もまだ "ついてない" が続いている
明日は土曜日だから、と誘われ流されるようついて行ってしまったのが駄目だった
バイト先の人たちのことは嫌いじゃないけど、正直もう帰りたい
田舎育ちの僕からしたら、こんなに人に囲まれて過ごすことに慣れてないから、楽しさよりも疲れが溜まっていく一方だった
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