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「ほー、プルトが近いか……。もう何年寝てたかは分からんが、……お主が死んでから初めての事なのは確かかの。……こうして妾が目覚めたのだからな」
「…………」
「で、ソナタはその危なっかしい物を仕舞わんか。妾に戦う意志はないのだから」
「……前魔王の部下であるお前が魔王になるかもしれないからな。早めに芽を摘むのは大事だ」
「ほぉー、ただなぁ餓鬼、妾は魔王にはならない。いや、なれないのだよ。年若いソナタの思考では考慮しきれていない可能性がすぐそこにあるのじゃ」
「………どういう意味だ」
「意味くらい自分の頭で考えるのじゃな。さっきの妾の独り言は全部盗み聞いておったのだから」
「……プルト………。確かお前は星をよむのだったな」
「よむ?……ハハハ、人間は愚かで無知でやはり愛いのぉ。……どれ、そんなお前らに妾からのプレゼントじゃ」
パチンッ!
「……っ?………これは、箒星………」
「箒星位なら稚拙なお前らでも分かるだろう。妾がいなきゃすーぐ安易にここに立ち入るのだからな」
「……あくまで、魔王復活の宣旨は間違いないな。そして、凶星・茨のシュラーフは魔王になる意志はない、ということで良いのだな」
「あぁ、ようやくそこに辿り着いたか愚図め。まぁ50点はくれてやるわ」
「……お前の茨は侵入者を許さないためのものではなかったのか。……なぜ俺の侵入を許した」
「ん?そんなわけないだろう。この茨は妾の眠りを邪魔されないために置いてるのだから」
「…………」
「あー…プルトもいいが、マルスもザトゥワンも………これは大変じゃな。ま、妾には関係ないがな」
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