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「……あれ、この前の勇者さんだ」
「やぁ。…今暇かい?」
「まぁ一応。仲間が素材調達に行ってるので」
「……フルパーティーで行かないのか?」
「皆強いし大丈夫ですよ」
「そう…か。………その、」
「…私が異世界から来た事の確認だったりして?」
「……!!あ、あぁ!」
「ですよねー、ゲームに反応してたし。…勇者さんは異世界人仲間に会うのは初めてです?」
「あぁ、そうなんだ。…君は感じからして、もう誰かと会ってるみたいだな」
「あはは。仲間の1人がそうなんです」
「そう…か。俺以外にも……」
「勇者からして、複雑だったり?」
「いや、かなり嬉しいよ。同郷の話をする仲間がいないってのはかなり寂しいしね」
「それもそうか。じゃ、勇者さんは…」
「ユーキで、いい。敬語も要らないよ」
「おぉ、じゃあユーキさん」
「はは、まぁいいか」
「ユーキさんは前世は何を?」
「そうだな。普通の高校生だったよ。ただただ意味もなく生きてた。けど、今考えたらあれが幸せなことなんだなって。今更思ったりしてる」
「私と同じだ。高校生謳歌してたんだけどなぁ…。……ある先生とめっちゃ仲良くて。毎日ご飯食べて、授業受けて、……。とりあえず中々充実してたかな」
「ふっ……良いね。ここは日本にかなり近い環境ではあるけど、結局は別の場所だから。…君に会えて嬉しいよ」
「わお熱烈」
「はは。……なぁ、もしよければ、君たちのパーティーもこちらに加わらないか?…こっちは大所帯になっても、勇者パーティーだから資金なんかも安定して貰えるし。悪くない案じゃないか?」
「おぉ……ユーキさんたちの目標は?」
「魔王討伐。それだけを目標にここで過ごしてきたんだ。君も君の仲間もかなり強そうだし、確実に戦力になりそうだ。……どうかな?」
「私…………私は、…………」
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