97人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねセンセ、ちょっとあそこのお店……」
「ダメ」
「もーー!」
「………」
何でそんな不機嫌そうなんだよーー!
「………僕が何に怒ってるか、分かる?」
「い、いやぁ〜、さっぱr「分かるでしょ」……」
「自意識過剰かなって……あはは…」
「いや、多分言いたいことの半分は合ってるよ」
「半分……」
「……言おうか迷ったけど、『俺』は、……アイリの過去を知ってる」
「………えっ!?……それ、マジな話です…?」
私の事故以前の抜けた記憶を、先生が知ってる…?
「え、じゃあ教え「教えない」…………」
じ、じゃあ何で言ったのさ…!!!
なんだか怒り半分悲しさ半分みたいな顔しちゃってるけど、私のが複雑だからね!?
「………お前が自分で思い出すまで、俺は言うつもりなかった」
「え、じゃあなんで……」
「取られると、思ったから」
ん??
「勇者とか、そういうヒーローみたいなのが現れたら、もしかしたらお前がそっちに行く可能性が…」
「いや子どもか!!」
先生もだけど何そのふにゃふにゃ目的変えるような奴!!
「というか、私は昔から先生一筋って……」
「………」
「………」
あ、終わった。
「………昔から……?」
「わっ、忘れ…ぼ、忘却まほ……!」
「ダメだよ」
「ぐえっ、な、なんでぇ……!」
「っふ、あぁーーもうなんでも良いや。今日のところは許そう、うん」
そう言って私の後れ毛をくるくると弄り始める。
「っ、からかって……!」
「ないよ。全然。ていうかそっちが本気なのか探ってた側だからね」
「それ…は、……」
「…でもまだ言ってあげない。自力で思い出すまでって、さ」
耳に髪を掛けられる。
「……っふ、耳あっつい」
「もう静かにしてて…………」
「ただいまなのだ…ッ!」
「素材換金までしてきたぞ…って、何かカロンお前めちゃくちゃ笑ってんの気持ち悪。なに?」
「いや??別に何も無いよ」
「そうだったらなおさら怖えーよ。あ、アイリーこれレアドロップの……って、え!?」
「アイリ……寝込んでるのだ…ッ!?」
「あぁ、勇者と戦ったらしくて、油断したってさ」
「珍しいこともあるもんだな……」
最初のコメントを投稿しよう!