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レストランとの交渉
「う~ん…………」
悪くない味。綺麗な水。シェフの店長の人柄も良さそうだ。なのだが…………
「何かが足りない。☆2.8くらいかな……」
うーん……ほんと、あともうちょっとなんだけど……。
お客さんもまばらだし、そこまで人気じゃないのかな……?
「よぉ、おじょーちゃん。一人で凄い量食ってんなぁ。どうだい?俺の店は」
「うーん……正直に言うとあともうちょっと。シェフの腕は確かなんだけど……味付けがソースと塩の二通りしかない」
「おぉ……褒められてんのか貶されてんだか……」
「へ?って、あ!シェフ店長!?」
「何だか変な名前まで付けられてるしよぉ」
「すっ、すみません!でも、どうして私のテーブルに……?」
「おお!それはだな!厨房からテーブルに一人ちっこいのがいるなと思ったら、急に注文が増えだしてな……原因をチラチラ伺ってたら、そのちっこいのがテーブル一杯に皿を重ねてたもんだからよぉ」
「……」
「落ち着いたから、見に来た分けよ」
「成る程」
「じょーちゃん、にしてもよくこの量食べきれたなぁ!」
「これでも私は16ですよ?」
「こりゃまた驚いた。いや、それでも凄いって。なぁ?」
「ハハハ。そうですね。僕も驚きましたよ……。作っても作っても注文がきて、しかも全部小さい身体にみるみる飲み込まれていて、難しい顔しながら何か呟いてるんですから」
「?こちらは……」
「おう!こいつは俺の一番弟子だ。顔も良いけど、料理の腕も一人前なんだぜ?」
「そんな……師匠に比べたらまだまだ……」
「ガハハ!ま、それは1回置いて……じょーちゃんに相談するのもアレだと思うが……最近同じようなものばっか作ってしまってな、味付けのソースも、実はこいつが提案してきたものをやってみたんだ」
「成る程なるほど……ソースはお弟子さんの提案でしたか…………」
「あぁ、最初は良かったんだが、それもマンネリでな、客足も最近怪しくなってきてて、どうしようか考えていたんだよ」
「フムフム……よし、わかりました!私が解決いたしましょう!」
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