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男:2
女:1
春香:「今日は私が腕を振るって料理を作っておいたの。誠司さんのお口に会えばいいのだけど」
誠司:「春香さんの手料理が食べられるだなんて、僕は幸せ者だなぁ」:でれでれ
春香:「ふふっ、そういうことは、食べてから言って」
【玄関を開ける音】
春香:「ただいま、パパ」
パパ:「おかえり、春香! 彼が誠司くんか、なかなかの好青年じゃないか!」
誠司:「初めまして。これ、少しですけど、どうぞ」
【手土産を渡す音】
パパ:「これはこれは、ご丁寧にありがとう。さ、こっちだよ。ごはんはパパが盛り付けしといたからね」
春香:「ありがとう、パパ!」
食卓
パパ:「さぁ、誠司くん! 可愛い春香の手料理だ。世界一美味しいぞ」
誠司:「えっと……こ、この紫色のスープは……?」
春香:「毒キノコのポタージュよ。ピリッとしてとっても美味しいの」
誠司:「毒キノコ!? ……えっと、この黒いまだら模様の物体は……なにかな?」
パパ:「それはトカゲのソテーだ。春香の1番の得意料理なんだよ」
誠司:「と、と、トカゲ!? えっと、春香さん……申し訳ないけど、婚約の件は少し考えさせてもらうよ!」
【誠司が逃げる音】
春香:「ありがとうパパ、勘違い男の撃退に付き合ってくれて」
パパ:「可愛い春香のためだからね。それにしても無礼な青年だったな。私が作った紫芋のポタージュも、鯖のソテーも美味しいのに」
春香:「まぁまぁ、いいじゃない。勘違いくんの分、私がいただきまーす」
パパ:「うんうん、たんとお食べ。パパも春香に食べてもらった方が嬉しいよ」
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