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運動場に出たなつは舞に声を掛けた。
「ねぇ…、舞。また花いちもんめするの?」
「ねぇ! 佳乃、メンバー集めようよ」
なつが話し掛けたのを振り切るように、舞は佳乃の名前を呼んだ。なつは途端に悲しい気持ちになった。
夏休みが終わってから、舞の態度は変わってしまった。
以前は、なつの意見をよく聞き、笑ってくれた。しかし、些細な事がきっかけで、舞はなつを無視するようになった。今のように、なつの意見など聞こえないように振る舞う事も多くなっていた。
「早くっ! みんなも集まってきたよ!」
佳乃の声になつはハッとして返事をした。
「行く行くっ! ごめん、ぼーっとしちゃって」
自分だけ落ち込んだ顔をしていては周りを心配させてしまう。
あからさまに、仲間外れにされる訳ではないし、舞以外のメンバーはなつに笑いかけてくれる。自分は小さな不安を真面目に考えすぎなのだ、と頭を振った。
「早く来てくれないと初められないじゃん〜!」
佳乃はなつに返事をして、集まったメンバーでグループ分けを行なった。
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