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ていうか、冴への返事もそこそこに部屋に逃げてしまったから、冴は不機嫌になっていないだろうか。
構いすぎると怒るくせに、逆に構わないと寂しくなっちゃうのが冴の可愛いとこだよね。
でも本当に不機嫌になってて嫌われでもしたら俺は生きていけないから、冴の様子を見に行くか。
俺は足音をたてずにそーっと階段を降りていく。
冴は、ソファーに座ってテレビを見ていた。
話しかけるなら今だよな。
話しかけて反応が普通だったら、また部屋に戻ろう、よし。
「冴」
「……兄貴」
「そんなにテレビ見て。課題は終わったのか?」
「……これからやる」
なんだろう。
冴の表情が曇っている。
怒ってはないようだが、なんか不安そうな…。
「……兄貴」
「ん?なに?」
「……怒ってる?」
やっぱり気にしてた。
でも、怒っていると思われていたとは。
「お、怒って、ないけど……どうして?」
冴はバツが悪そうにそっぽを向く。
「だって、耳掃除のあと、俺の声にも少し返しただけですぐに二階行ったろ?俺、耳掃除中うるさかったから……」
そういう、ことか。
え、かわいくない?
俺の弟かわいくないですか??
いつも俺を邪険に扱っている裏では、そんなかわいいこと考えて悩んでたりするのかな。
てか、あの声をうるさいと思うやつはこの地球上にいないと思うが。いたら消す。
まあ声を聞いたやつも消すが。
「全然、怒ってないよ。ていうか、冴が耳弱いことお兄ちゃん知ってるから」
俺がそういうと、冴は安心したようにふにゃりと蕩けた笑顔を見せた。
「よかった」
ふええええかわいいよおおおおおお。
俺は冴に襲いかかろうとするケダモノな俺を抑え、軽く冴に笑いかけてまた自室へと戻る。
「わああああああん。なにあれええええ」
自室で思いっきり叫ぶ。
自分の下半身を見ると、my sonがstandしてた。
俺の本能は本能のままに体を動かしたってことか。なるほど。うん。
なら、理性を保つ俺も、自室では本能に逆らうつもりはない。
というわけで、こっそり調達してた未洗濯の冴の制服を嗅ぎながらmy sonを慰めました。
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