朝からうるさい兄貴

2/2
162人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
(さえ)!早く起きて!ねえ!冴!」 うるっせえ……朝から耳元で騒ぐなよ……。 俺は布団を頭まで被り反抗を態度で示す。 「……そんな可愛いことしちゃうなら、襲っちゃうけど……」 「おっはよお兄貴!!!今日も清々しい朝だね!!!!こんな爽やかな朝に変なこと言ってる変態は滅べばいいと思うヨ!!!!!」 すぱーんと布団を吹き飛ばし立ち上がると、ベッドに片膝ついて乗り込むつもりまんまんだった兄貴、(かえで)を睨む。 「ちぇっ、あと少しで冴に触れられたのに…」 「変なこと言ってんじゃねーよ兄貴」 俺が吐き捨てると、兄貴はふわっと柔らかな笑みを浮かべる。 容姿と頭脳だけは完璧な兄は、笑うと王子様のようだ。 「今日もかわいいね冴」 ……中身は変態だが。 「こんな可愛い弟の兄で良かった……でも可愛すぎて死にそう……ああ……」 一人でくるくるして頭を抱えながら変なことを言う兄貴の姿を、うちの学校の女の子に見せてあげたい。 こんな姿を見てもキャーキャーできますか?と言いたい。 ていうか。 「俺たち、兄弟じゃないだろ」 「……」
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!