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「冴!早く起きて!ねえ!冴!」
うるっせえ……朝から耳元で騒ぐなよ……。
俺は布団を頭まで被り反抗を態度で示す。
「……そんな可愛いことしちゃうなら、襲っちゃうけど……」
「おっはよお兄貴!!!今日も清々しい朝だね!!!!こんな爽やかな朝に変なこと言ってる変態は滅べばいいと思うヨ!!!!!」
すぱーんと布団を吹き飛ばし立ち上がると、ベッドに片膝ついて乗り込むつもりまんまんだった兄貴、楓を睨む。
「ちぇっ、あと少しで冴に触れられたのに…」
「変なこと言ってんじゃねーよ兄貴」
俺が吐き捨てると、兄貴はふわっと柔らかな笑みを浮かべる。
容姿と頭脳だけは完璧な兄は、笑うと王子様のようだ。
「今日もかわいいね冴」
……中身は変態だが。
「こんな可愛い弟の兄で良かった……でも可愛すぎて死にそう……ああ……」
一人でくるくるして頭を抱えながら変なことを言う兄貴の姿を、うちの学校の女の子に見せてあげたい。
こんな姿を見てもキャーキャーできますか?と言いたい。
ていうか。
「俺たち、兄弟じゃないだろ」
「……」
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