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番外編4
「柚ちゃ〜ん! お久しぶり」
「はぁ、なんで私ってこんなに絡まれるんだろ…… 反省が足りないのかな」
私は今2年の先輩達に報復されようとしていた。 理由は私がこの先輩の彼氏を取ったとか……
そんな覚えないのになぁ、向こうが私に乗り換えようと私に告白してきたから振っただけなのに!
「あの、言っておきますけど私じゃなくて彼氏さんを責めるべきだと思いますけど?」
「あんたがいるだけでこっちは迷惑してんだよ! 色目使いやがって」
「そんな事してません、私にはちゃんと大事な人がいるのでもう他人に色目なんて使いません、私も迷惑なんです」
「じゃああんたの顔殴らせな! しばらく男引っ掛けられない顔にしてあげる」
「そんな事したら停学とか酷ければ退学になっちゃいますよ? だって私が黙ってないですもん」
「へぇ? 大事な人ってあの女の子みたいな彼氏でしょ?」
「それが何か? …… わかりました、黙って殴られれば良いんですよね?」
はぁ、私ってつくづく運がないなぁ……
啓ちゃん私が酷い顔になっても好きでいてくれるかなぁ?
「人の彼氏にちょっかい出すと痛い目にあうってね!」
先輩達が私に迫ろうとした瞬間私はやっぱり無理と逃げ出していた。 だって私が何かされたら啓ちゃんだって悲しむと思うから。
これって間違ってないよね? と思いながら私は逃げていた。 穏便に済ませたいけどもうこうなっちゃったら無理無理、私が切れちゃうのも啓ちゃんに迷惑かかるから無理、もう逃げるしかないじゃん!
「てめぇ! 待てよ!」
職員室まで行って先生に言いつけてやる! それで解決! と思ったら回り道されてた……
ああ、ダメか。 逃げたからもっと酷い目にあいそう。
「あー、もうわかりました! 気がすむまで殴ったら!?」
「先生! こっちです!」
すると先輩の向こう側から声が聞こえた。
「お前ら何やってるんだ!?」
「やばっ!生徒指導の中村だ、逃げろ!」
「おい、待てお前ら! 朝日奈、お前も後で話を聞くからな!」
そう言って先生は先輩達を追いかけていった。 助かったぁ……
「大丈夫? 朝日奈さん」
「香里かぁ〜、助かったよ」
「朝日奈さんも無駄にモテて変なのに目つけられて大変だね」
「まったくだよ、香里が来てくれなかったらどうなってたか」
「本当よねぇ、恋敵の朝日奈さんを助けるなんてバカみたいだけど啓が悲しむ顔は見たくないもんね」
「本当助けてもらってばかりだよね、香里には。 なんかごめん」
「あはは、らしくないね」
「啓ちゃん今の事知ってる?」
「朝日奈さん戻って来ないから探してたよ? 心配してた」
「はぁ、やっぱそうなっちゃったか」
「行こう? 啓のとこに」
「うん」
私は香里と一緒に啓のところに向かう最中どうして香里が私にここまでしてくれるのか気になったので聞いてみた。
「ねぇ、なんで助けてくれるの?」
「え? だって朝日奈さんは何も悪くないでしょ? それに啓が悲しむ顔なんて見たくないって言ったじゃん」
「じゃあ私って嫌な女だよね? 香里ってそんなに啓ちゃんの事想ってるのにそれなのに私が啓ちゃんを心配させて……」
「うん、そうだね! でも啓が好きなのは朝日奈さんだしね。 私が啓を振り向かせられないのは朝日奈さんがいるせい。 だけど私はあんな先輩達みたいな事して啓に無理矢理好かれようと思わないし、朝日奈さんとは正々堂々と行きたいって言ったでしょ?」
「香里ってやっぱりとってもいい子だね、もし私より先に啓ちゃんと仲良くなってたら香里の事選んだのかな?」
「あはははッ、私もそれ考える時あるよ、でもその時は私も朝日奈さんと啓が仲良くしてて割り込む勇気がまだなかったからあり得ないかなって」
「…… ねぇ香里、改めてありがとう、それとごめんなさい。 香里が優しくて私なんかより啓ちゃんに相応しいのかもしれない。 でも、でもそれでも…… 私啓ちゃんが大事。 好きなの」
「そうだね、啓も朝日奈さんの事とても大好きなんだって見ててわかるよ。 朝日奈さんが入院してた時ずっと側についてたもん、私にはあんな顔してくれないなってその時思った、だけどね! 朝日奈さんが元気になったんだから遠慮はしたいからね!」
「私、香里がいて良かったよ」
「うん?」
「私香里が大好きだよ! 啓ちゃんは譲れないけどね!」
「はいはい! ほら、啓いたよ?」
「あ、本当だ。 啓ちゃん! おーい!」
「こんなとこにいたのか。 さっき女の先輩達が中村に連れてかれてたの見たけどあれって柚がやったの?」
「ううん、香里に助けてもらっちゃった」
「そっか香里、柚の事でごめんな?」
「いいんだよ、啓が余計な心配してると口説きにくいでしょ?」
「もう私の前で堂々と! 」
そして今日は3人で私達は帰った。 私が香里だったらそんな風に考えるのは無理かもしれない。
だけど私は私、張り合おうと思っても香里には勝てない。 だから私なりに啓ちゃんを想う事で負けないようにしなきゃと思った。
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