人狼椅子取りゲーム

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「まず、なんであんた視点で、私が狂人確定なんだい?視点漏れしてるね。あんた視点では真狼狼―真狼って内訳は完全否定はできないだろう。勿論リスキーではあるけどな。それを言ったら真狼狼の時点で十分博打には出てる。それくらい斜め上突っ切った作戦を狼が取ってくる可能性、ゼロとは言い切れないだろうが」  そう、彼の視点で自分は“狂人濃厚”であって“狂人確定”ではない。それを見落として、ゴリラを狼と決め打てる根拠があまりにも薄い。 「もっと言おうか。あんたの内訳では、占いは真狼狼だった。ニワトリが真占い師で、イヌとライオンは狼だった。それであってるな?」 「それが何か?」 「狂人とは違って、狼は狼仲間がわかる。占い結果をよーく思い出して考えな。あんたの言うとおりゴリラが潜伏狼っていうんならさ……なんで騙り占い師のライオンは、潜伏狼に黒出してんだよ?ライオンが真占い師だと思われちまったら、その時点でゴリラも一緒に吊られちまうってのにさ!」 「!」  余裕綽々だったカメの顔色が、初めて変わった。私の霊能結果抜きで見ても、ライオンの動き方と人狼陣営の動き方は統率が取れているようには見えない。双方が別陣営であるか――あるいは、お互いがお互いをわからない、狼と狂人であったと考えるのが妥当だ。  勿論人狼の場合、仲間狼にわざと黒を出す“身内切り”や、“逆囲い”を行うことで味方を白く見せる手法も存在する。だが、潜伏狼が一匹しかいない状態で身内切りするメリットはなく(そもそも霊能が二人いるから、ラインを見せて信用を取ることもできない。もっと言うと占いが先に吊られる状況がわかっているので黒を出してもそこをすぐ吊ってもらえない)、逆囲いをしたところで占い師の信用差がなさすぎる以上白く見せられる状況にはない。  つまり。あそこで仲間に、同じ狼が黒を打つのはあまりにも不自然ということだ。 「私の霊能結果からして、内訳は真狼狂―真狼で確定。ニワトリが狼で、あとのイヌとライオンはどっちが真で狂人かはわからない。で、私の対抗であるあんたは狼確定だ」  狂人は一人しかいない。占い三人を吊って結果が黒白白(狼、それ以外、それ以外という意味である)ということは、必然的に霊能の対抗であるカメは狼以外にありえないということになる。 「それを踏まえて考えるとな。一番しっくりくるのは、ニワトリ狼、イヌ真、ライオン狂人っていう内訳なんだよなぁ」 「根拠はなんですか、ウサギさん」 「決まってる。あんたがニワトリ真占い師主張するからだよ。ニワトリ真だと周りに思ってもらえるのが一番都合がいいって知ってたからだ。ニワトリが真なら、ニワトリが白出してるネコの潔白も証明されることになるからな。つまり、ネコを守って残りグレーであるゴリラ吊りに持っていくことができる」
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