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だから、彼は自分の視点で“確実に”真が分かる霊能結果を出したのだ。白黒黒と結果が出れば――彼の視点ではほぼほぼ真狼狼で確定する(例外として、初日犠牲者が占い師であり、狂狼狼―真狼というとんでもない内訳の可能性もゼロではないが。それも人外全露出以外の何者でもないし、そもそも彼がそれを見据えているなら私吊り主張をしないのがおかしい。レアケでもあるし、今回は切り捨てていいだろう)。ニワトリを真占い師と主張するに、実に合理的な理由ができるというわけだ。
「追撃しようか?そもそも初日の段階で、露骨にニワトリとネコでラインができてんだよ。ニワトリは初日にネコを囲ってる。そして、3-2の状況で潜伏一匹しかいない状況ってことは、占いの仕事はすでにほとんど終了なんだよ、占いを無理に生かしておく意味もねえ。白貰ったからってだけでニワトリ盲信するのも論外、ネコ視点だってニワトリ偽の可能性もあったってのにさ」
さらに、投票結果でネコはよりにもよってイヌに票を入れている。占いロラする時、三人に信用差がないのならグレーの広い占い師を残すのが定石だ。一番グレーが狭いイヌに投票している時点で、ネコは人外目なのである。
「お前とネコを吊って、ゲーム終了だ。……さて、論破できるってなら歓迎するけど?」
私の言葉に、カメはうめき声を上げて沈黙した。そしてネコは――恐らく、初心者に近かったのだろう。おろおろするばかりで、カメをフォローする言葉をかける様子もない。
やがてネズミが、カメ吊りの指示を出した。――これで終了。私は大きく息を吐くことになる。
――ごめんな。お前らに、恨みはないんだけどさ。
私の推理通り。カメとネコがどちらも狼で、二匹を吊ってゲームは村陣営の勝利となった。私は死守した生き残りの椅子に座り、唇をかみしめて考えるのである。
勝利カウント、これで――九十五勝。
果たしてあと何勝すれば、精鋭のトーナメントに招かれるのだろうか。
――負けない。あの人を、取り戻すためは。
私の、取り戻すための戦いは――まだまだ終わる、気配がない。
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