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それを見送って、僕達ふたりは改めて顔を見合わせる。
「ナグサ、僕たち同じチームだって」
「残念だわ、ほんっとーに残念」
本日最初の試合の前に、すでにやる気の炎が揺らいでしまった様子のナグサは、両手の平を上に向けてため息を吐いた。
僕は僕でナグサにたたきのめされる心配が無くなったので、思わず安堵のため息がこぼれる。
彼女のプレイスタイルは、とにかく苛烈なことで有名なのだ。
味方なら心強いけれど、敵に回ると命の危険すら感じる。
ゲームなのにね。
「チーム分けを伝え始めたってことは、そろそろ始まるよね、オーダーの話し合いしてるみたいだし、混ざりに行こうよ」
彼女は座る時の逆再生のように椅子から跳ねるように立ち上がると、僕の腕を引いて人の集まる筐体の方へと引っ張っていった。
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