師が駆け回る紅白戦

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そのまま今日の大会の話やバイト先の愚痴に花を咲かせていると、恰幅の良い男性が声をかけにくる。 彼はつるぎさんと言って、今日の大会と紅白戦の主催者だ。 世界規模の大会での入賞経験も多く、今は格闘ゲームを色々な層に浸透させるために活動している。 彼は手元の紙に目線を落としながら、紅白戦にエントリーした人達に順番に声をかけていたようで。 どうやら紅白戦のチーム分けが終わったらしい。 「翁草とツワモノ、ふたりとも赤チームね。よろしく」 翁草はナグサの、ツワモノは僕のリングネームだ。 思わずふたりで顔を見合わせてから、つるぎさんに返事を返す。 「了解です、つるぎさん」 「わかった」 「オッケー、ふたりともありがとう」 いそいそとチーム分けを伝えて回るつるぎさんは、今度は喫煙スペースの方に向かっていった。
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