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道中
道端にある岩に
落書きらしき物が
幾つか刻まれている
直径1メートル弱の円
その中には
襲いかかる鷹と
立ち向かう蛙
〇主祭殿 3階
北内郭
集落で一番立派な高床建物
見渡す豐
村の各地で村人達が
疑心暗鬼のまま傷つけ合う
中へ入る
中には祭壇
陶器、木の実と
3種の神器がお供えしてある
卑弥呼が静かに祈っている
豐「卑弥呼様!」
卑弥呼「豐。
よくぞ無事で居てくれました」
豐「ですが、村は、皆は!」
卑弥呼「分かっています
今起きている事も
・・・先の事も」
豐「卑弥呼様!
救いの手立ては残されて居ますよね?」
卑弥呼「安心なさい」
豐「私に出来ることが在れば
何でも申しつけ下さい」
八尺瓊勾玉を手に取り
豐の首に掛ける
自身の手には天叢雲剣
外へ出る
卑弥呼「あらゆる手立てを想定した上で
先を見通しましたが
残念ながら未来は変わりませんでした」
豐「え?」
卑弥呼「彼ら(天狗党)は最早
私達の力が及ばない程に
大きく邪悪になってしまった」
天に向かって斬撃を放つ
太陽を覆う影が一部裂ける
切れ間から僅かな光が差し込む
光は祭壇内の八咫鏡へ
反射した光が祭殿前に照らされる
卑弥呼「彼らが
遠い存在になってしまったなら
私達も求めなければいけない
私の予知が行き届かない
遙か遠く未来の
人智を超えた力に」
豐を抱きしめる卑弥呼
豐「卑弥呼様?」
次の瞬間
豐を突き落とす
落下の最中
光に包まれる豐
光と共に姿を消す
太陽は再び影に染まる
主祭壇に集まる天狗党達
卑弥呼「・・・さようなら。
私の可愛い豐」
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