Karte Ⅱ

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私の心の憂いなど知る由もないママに、ムッと頬を膨らませた。 そうそう、言い忘れていたけれど、私には毎日のストーカー被害と恋愛以外にも、悩みの種がある。 それは…。 「ママ、今日も変なメッセージが来てたの。」 「どんな?」 「林檎ちゃん10分前に起きられて偉いねって。」 「まぁ、林檎今日は7時前に起きられたの?凄いじゃない。」 「……。」 ママが異常に能天気だという事だ。 娘がストーカー被害に遭っていて悩んでいると吐露しているのに、満面の笑みで論点の違う発言をする相手に更に心は憂鬱になる。 「ママ、私ね恋がしたいの。」 「何言ってるの?林檎はもう相手がいるでしょう?」 「誰の事言ってるの?」 「その毎日メッセージをくれる彼の事よ。」 ちょっと待って、何でストーカーと私が結ばれると思ってるの!?!?!? 当然だとでも言うような表情を見せるママに、頭が痛くなってしまう。 どうして?どうしてこんなにも悠長にしていられるの? 娘がストーカーに遭ってるんだよ?悩んでいるんだよ?可愛い笑顔を見せてる場合じゃないんだよ? もっと真剣に向き合ってよ。 私の心の叫びなんて、天然で抜けているママには聞こえやしない。 「もう、いっつもそう。」 「何をそんなにプンプンしてるの?」 「ママに話が通じないからだよ。」 「林檎、早くしないとそろそろ時間よ。」 ねぇ、流石に無視はやめてよ。傷つくよ。
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