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ママの言葉で壁に掛かっている時計を一瞥したけれど、いつもお家を出る時間までにはまだまだ余裕がある。
もう、ママってばとうとう私の登校時間にすら興味がなくなってしまったの?
酷いよ悲しいよ。
何を言ったって天然なママには通じない事くらい娘の私が一番よく分かっている。
肩を落とした私は、しょんぼりしたまま朝食を口に運んだ。
「………林檎、早く食べないと遅れるわよ?」
だから全然まだ大丈夫なんだってば!!!!
食事を始めてから数分後、包まれたお弁当を持ってまた食卓に姿を見せたママが急かすような言葉を投げかけた。
「遅れないよ。だって今日10分も早く起きてるんだもん。」
「遅れるわよ!もうそろそろ来る頃だもの。」
誰が!?!?
私がそう叫ぼうとしたまさにその瞬間だった。
ピンポーン
来客を知らせるインターホンが我が家に響き渡った。
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