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眉間に皺を刻んで怪訝な顔で、美しい相手を見る。
この至近距離からでも、毛穴一つない艶のあるタマゴ肌。
ぱっちりと大きく開いた目を縁取るのは長い睫毛。マッチ棒が軽く二、三本、乗っかってしまいそうなくらいだ。
形の良い唇と、高くて筋の通った鼻は彫刻のよう。
…綺麗。
何処を切り取っても、どの部分を凝視しても非の打ちどころが見つからない。
色素の薄いブロンドに近いミルクティー色をした髪の毛は地毛なのか、彼にとてもよく似合っているし、違和感がない。
それにグレイの色をした瞳は、透き通っていて一際私の意識を惹いた。
「あらー芽維君、見ない間にすっかり素敵な男性になっちゃって!」
私の背後から聞こえてきた能天気な声に、美少年は笑窪を浮かべて頷いた。
「お久しぶりです、林檎ちゃんのママ。」
「本当ね、十年ぶりくらい?」
「そうですね。」
「相変わらず美男子ね。」
「あはは、照れます。」
絶対照れてないでしょ、めちゃくちゃ言われ慣れてるでしょ。
ていうか!!!
そんな事より!!!!
「え?ママ、この人と知り合いなの!?!?」
普通にママとこの美少年が会話を弾ませている事に驚愕を隠し切れないよ。
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