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あんぐりと口を開けたまま唖然とする私を一瞥して。
「林檎、何をそんなすっ呆けた事言ってるの?芽維君はさっき話してた貴方の恋人でしょ?」
当然のような顔でそう言った。
…え?
恋人?
私の?
「蜜柑 芽維君。林檎の一つ下でお隣に住んでたじゃない。アメリカから日本に戻って来てまたお隣さんになるのよ。ね?芽維君。」
「はい。…林檎ちゃん突然驚かせてごめんね?改めまして、林檎ちゃんの旦那になる蜜柑芽維です。宜しくね。」
私を腕の中に閉じ込めたまま、ぎゅっと抱き締め直した彼にこちらの思考回路はショート寸前どころか見事に停止。
いやいやいやいやちょっと待って。
全然頭が追い付かないよ、何言ってるのこの人。
「え?芽維君って…あの芽維君!?」
遠い遠い記憶を手繰り寄せて、私がよく一緒に遊んでいた可愛い男の子の姿を蘇らせる。
お人形さんみたいな愛らしい顔をしていた芽維君は、私にとって天使だった。
何をするのも一緒で、よくお互いのお家にお泊りしたりもしたし、下に兄弟のいない私は芽維君を自分の弟のように可愛がっていた懐かしい思い出が次々と頭を過る。
でも大きくなりすぎじゃない?え?これが本当にあの芽維君!?!?
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