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私より小さかった身長は嘘のように大きくなってしまっている。
優に180cmは越えているんじゃないかな。
癖っ毛でくるんくるんだった髪だって、艶のあるサラサラな髪でお洒落なヘアスタイルに大変身を遂げている。
何より女の子みたいに可愛かったあの天使のような面影が一切ない!!!!
その代わりとでも言うように中性的で美しい大人な顔立ちになっている。
嘘……あんなに可愛かった私の天使が…こんなになっちゃったの?
「やっと思い出してくれたんだね嬉しい。ずーっとずーっと会いたかったよ林檎ちゃん。」
「えっ…ちょっ…。」
チュッと玄関に響いたリップ音。
頬に残った芽維君の微熱が後を引いて、じわりじわりと火照らせる。
「今日から僕も林檎ちゃんと同じ高校に通うの。だからお迎えに来たんだよ、だって僕等は婚約者同士だもんね。」
「……はい!?」
本日何度目か分からない素っ頓狂な声が、私の口から飛び出した。
さっきから都合の良い聞き間違いかと思っていたけど、どうやら現実らしい。
私の背中に腕を回して身体を遠慮なく密着させた芽維君が、無邪気に頬を緩ませた。
あ、この笑顔は変わってないや。芽維君だ。
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