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1、姉妹の戦いが始まった
たぴ岡みるくTバックグラビアアイドル19歳は自宅の玄関を開けた。甲高い声が響く。
「あら、みるくお姉様。おかえりなさい」
「ぴいち」
たぴ岡みるくの妹、たぴ岡ぴいち16歳。
最近、芸能界デビューをして姉と同じくTバックグラビアアイドルとして活躍している。
髪型は黄色に近い金髪で、巻き髪のツインテール。
「お姉様。今度の『週刊青年プルルン』の表紙もワタクシに決まったわ。これで10週連続よ。お姉様の時代はもう終わったの。とっとと引退したら?」
「このクソガキっ」たぴ岡みるくは、自分の髪に結んでいたシュシュをほどいた。ピンクの生地に黒のタピオカ柄である。ミルクティブラウン色のロングヘアが広がる。
「まあ。お姉様ったら、そんな汚い言葉使ってるとお尻が汚くなるわよ。今年のゴールデンTバック賞はワタクシが頂きね。ホーホッホッホッ」
ゴールデンTバック賞は、毎年その年で1番美しかったTバックのグラビアアイドルに贈られる賞だ。景品は金のTバッグ。
たぴ岡みるくは2年連続受賞していて、あと1回受賞すれば殿堂入りとなる。人気投票で決まる。
(まさか姉妹でこの賞を取り合うことになるなんて)
金色の巻き髪ツインテールを揺らしながら階段を上がっていくぴいち、ひるがえるミニスカートから蛍光の黄色いTバックと、はちきれそうな大きいお尻が見えている。
妹のお尻を見上げながら、たぴ岡みるくは何か活躍の場を広げなくてはと考えていた。
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