決断

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いつもの居酒屋で飲み始めた。 酒の勢いで言った。 「俺は桃子との結婚は辞めようと思う。」 「……なんだ、マリッジブルーか?」 「違うよ。俺に大会社の社長は務まらない。」 「そうか。それで桃子を諦めるのか?」 「諦めたくない。でも、無理なんだ。」 「……そうか、良かったよ。 俺が変わりに桃子と結婚して会社もついでやるよ!」 「何言ってんだ!お前には、真希さんがいるだろう。」 「真希とは、付き合ってるだけだ。 結婚は別だよ。 桃子の会社なら家にとっても好都合だ。」 「ふざけんなよ! そんな理由で桃子を選ぶなよ! いくらお前でも桃子は渡さない!」 「ほら、そうだろう。」 「えっ…」 「その気持ちだよ。それがお前の本心だよ。 会社の事は後から考えればいいよ。 向こうだって、いきなり社長にはしないだろう。」 「……」 「大丈夫だよ。 いざとなったら俺が助けてやるよ。」 「本当だな?絶対に助けてくれるんだな。 裏切らないな。」 「疑り深いな。任せとけって。 俺がお前を支えるよ。」 「ありがとう。青木〜。安心したよ〜。」 「何だよ。泣き上戸かよ。」 俺は青木の優しさに嬉しくて泣いた。
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