花に想いをのせて

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 瑞樹はそれぞれの花をもとに戻して、毅の前に戻って来た。 「毅はさっきの花言葉を聞いて、どれがいいと思う?」 「そうだな……。全部っていうと、ごちゃごちゃしすぎるよな?」 「うん。色もかぶるしね。でも同じ種類の色違いなら、組み合わせてもいいかも」 「そうか。なら、カーネーションかチューリップだな」  毅は腕を組んで、考え込む。そんな彼を見て、瑞樹は目を細めて微笑んだ。 (こんなに真剣に悩むなんて、よっぽど彼女さんが大事なんだなぁ。彼女もここまで想われて幸せだろうな) 「よし、決めた! チューリップにする! ピンクと赤で花束を作ってくれ」 「ん。いつまで?」 「今」 「今!?」  あまりにも突拍子もない言葉に、瑞樹は思わず立ち上がった。 「ちょっと、花はそんなに日持ちしないよ!? それにチューリップはだいたい5日程度しか持たないから、今から作っても枯れちゃうよ?」 「大丈夫。もう指輪は買ってあるから、帰ってプロポーズする」  瑞樹は呆れたように息を吐きだし、注文通りの花束を手早く作っていく。 「そんなに大きくなくていい?」 「あぁ。形は結婚式とかであるような、丸いブーケみたいな感じ。それと瑞樹、メッセージカードくれ」 「場所わかるよね? 好きなの使っていいよ」  毅は昔から店に出入りしているため、どこになにがあるか把握している。彼は迷わずカードが保管されている奥の棚に向かい、カードを選らんだ。そしてそこにあったペンを手に取り、真剣に字を書き出す。
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