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花に想いをのせて
「え? 花を使って、プロポーズしたい?」
瑞樹は、親友の毅の言葉に、目を瞬いた。
「あぁ。もちろん、言葉でもちゃんと伝えるが、彼女が花が好きだからさ」
「へー。相変わらず、ロマンチストだね。見た目に反して」
「一言余計だ!」
瑞樹はケラケラと笑う。
毅は幼い頃からバスケをしており、社会人となった今では、会社のチームに所属している。そのため身長は180cmを優に越える高身長で、がたいもいい。目つきも悪いため、人も近寄らない。
それに対して瑞樹は、男ながら幼い頃は病弱だったせいか、線が細く色も白い。身長も160cmちょうど。趣味は実家が花屋を営んでいるため、花の世話。そのせいで、瑞樹はよくいじめられた。
だが、それをいつも助けてくれたのが、毅だった。
「ねぇ、どうしていつも、助けてくれるの?」
「深い理由はねぇ。ただ、いじめが許せないってだけだ」
「僕の趣味、女の子みたいだって、思う?」
「趣味は人それぞれだろ?」
毅の言葉に、瑞樹は笑った。それから二人はよき友人として、大人になっても関係は続いていた。
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