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「洸太、何考えてるの?」
「早く大人になりたいなって。アキちゃんに甘えてばかりじゃなくて、もっとしっかりしたいって思ってる……」
「俺は洸太が大人になっても甘えて欲しいな。洸太を甘やかすのが俺の楽しみなんだから」
秋斗がそう言って笑うと、洸太は一気に頬を染めた。
「アキちゃんは……僕に甘すぎるよ」
「仕方ないじゃない。洸太のことが大好きなんだから。洸太がおじさんになってもおじいちゃんになっても、俺は洸太を甘やかすからね」
おじいちゃんになるまでアキちゃんと一緒に居られるんだよな。
それってすごい。
アキちゃんは、そんな先まで僕との未来を考えてくれているんだな…。
「僕も、アキちゃんがつるつるに禿げちゃってもずっと愛してるからね」
「うん。ずっと一緒に居ような」
なんて幸せなんだろう。
こんなに愛されているのに、勝手にネガティブな方向に考えるのは止めなきゃ……。
過去は消せないし忘れられないけど……アキちゃんとの未来を考えよう。
洸太の表情が明るくなったのを見て、秋斗は少し安心した。
こうして、少しずつ洸太の見えない檻を壊していって、いつか完全に自由になればいい。
洸太は幸せになる権利があるのだから…。
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