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「泣いていたようだが……どこかやはり痛むのか?」
「ち、違うよ。色々考えてたら急に悲しくなっちゃって……情緒不安定なのかな」
アキちゃんに告白されたなんて、お父さんに知られたら大変だ……。
宗佑は洸太の答えに納得がいってはいないようだったが、それ以上追求してくることはなかった。
個室の病室に付き添いベッドを入れて、宗佑と洸太は並んで休むことになった。
お父さんと意識のあるうちに一緒に寝るなんて初めてだから、ちょっと緊張するな…。
病院の消灯時間は早い。
だが、泣きすぎて目の腫れている洸太は、すぐ眠れそうな気がしていた。
横になった宗佑はこんなに早く眠れるのだろうかと思いながらも、洸太がウトウトし始めた時、隣のベッドから宗佑の呻き声が聞こえてきた。
「うう………」
「お父さん?どうしたの?苦しいの?」
洸太は起き上がって宗佑に声を掛けたが、宗佑は眉間に皺を寄せて唸っている。
病気か何かなら大変だと、洸太は宗佑の体を揺すって声を掛け続けた。
「お父さん、お父さん、大丈夫?」
「う…………洸太……?」
ぱちりと目を開けた宗佑は、洸太の顔を見るとホッとした表情を見せた。
「うなされてたよ。具合悪いの?大丈夫?」
「ああ……。大丈夫だ。いつものやつだ」
いつも?
お父さんはいつもうなされてるの?
そんなの……知らなかった。
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